第52回卒業式・第34回専攻科修了式を執り行いました

2014年03月25日

 3月24日(月)、本学体育館で「第52回卒業式・第34回専攻科修了式」を執り行いました。
 美術科79名、音楽科79名、国際文化学科77名、情報コミュニケーション学科119名、計354名に卒業証書・学位記が授与されました。また、専攻科造形専攻25名、専攻科音楽専攻24名、計49名に修了証書・学位記と対象となる学生に教員免許状が授与されました。

 記念品贈呈では、学友会会長を務めた国際文化学科 竹中容子さんより目録が読み上げられました。続いて新学友会会長となった情報コミュニケーション学科の山口奏子さんが「サービスラーニングをはじめ、さまざまな活動を通して先輩たちの活躍を見てきました。これからは、熱い先輩たちの思いを引き継ぎ、頑張っていきたいです」と送辞を述べました。これを受け、情報コミュニケーション学科 佐藤加奈さんが「2年間というのはあっという間でしたが、実り多いものでした。これからは、この経験を自分の人生に生かして、そして恩返しをしていきたいです。」と述べ、最後に「興味を持ったことにはどんどん参加して充実した学生生活を送ってください」と後輩たちにエールを送りました。

 卒業生、修了生のみなさん、ご卒業・修了おめでとうございます。みなさんのご活躍を期待し、今後も応援致します。

第52回卒業式・第34回専攻科修了式 学長式辞
 本日、大分県立芸術文化短期大学を卒業される354名、また認定専攻科を修了される四十九名の皆さん、誠におめでとうございます。ご多用の中を大分県副知事 二日市具正様、大分県議会副議長 田中利明様ほか、ご来賓の皆様方にもご臨席いただき、本法人・大学の役員・教職員とともに門出をお祝いできることは、私の最も喜びとするところであります。また、ご参列くださいましたご家族、関係者の方々にも、心からお慶び申し上げますとともに、私どもの教育に後援会を通して様々なご支援をいただいたことに対しまして、厚く御礼申し上げます。
 今日、卒業式、修了式を迎える皆さんの在学した期間は、本学にとって重要な改革の時期でした。五十周年を祝って二年、次の五十年に向かって本学の将来を盤石なものにするための様々な対策や改革を行ってきたからです。人文系では国際文化学科を国際総合学科に衣替えし、新しい方向性を持った専攻を含め、より専門性の高い教育ができる体制を作りました。また美術科では生活造形を、現代・未来を指向した新たなデザイン教育ができる体制に移行し、音楽科では、オーケストラに加えて吹奏楽についても教育を行う事にしました。こういった改革は、皆さんの大学生活をより幅の広いものにしてきたと確信しています。

 卒業後の進路についても、大多数の方は就職をして社会人になりますが、就職する方以外にも、海外留学、四年制大学の三年次編入、本学専攻科への進学、専門学校での新たな資格取得など、多様な進路が開けています。こうして、本学は公立短大が持っている強みを極限まで生かした、四年制大学には無い進路の柔軟性・多様性を生かした運営をしてきたわけです。しかも短大卒業で就職される多くの皆さんにとって、本学の教育内容は、常に社会との接点を考慮したものであり、学生時代から社会訓練ができる様々な行事や学習が行われてきました。その教育密度の濃さは四大の最初の二年に比べれば、はるかに優っていると信じています。皆さんは、社会に出て行ける力を十分身につけているという自信を持って、本学を巣立っていって下さい。芸術系認定専攻科を修了される皆さんは、今回、六回目の修了生となりますが、先輩の中には、すでに四年制大学の大学院に進学し、すでに修士号を授与された方々も出始めています。
 このように、可能性を秘めた新しい道にチャレンジすべく巣立って行く皆さんを見ると、入学時の、まだ少年少女の面影を待った姿からは、まるで別人のように大人になったことに驚きます。私は心から、「頑張れ!」とエールを贈りたいと思うと同時に、「この二年間のたゆまぬ努力を忘れるなよ、そのうえで、自分をさらに変革してゆけよ。」とも、申し上げたいのです。

 さて、つい先だってソチの冬季オリンピックが幕を閉じました。金メダルを取った選手、期待されながら逃した選手など、日本選手だけではなく各国の選手達は、それでも世界のトップ選手達でした。紙一重の差を競って頑張る力は、どうしたら生まれるのでしょうか。間違いなく前進していくために必要なものが、「三つの力と二つの技(わざ)」であり、これから新たな生活に踏み出す皆さんに贈る言葉なのです。「三つの力」とは「自分の意志を持つ」こと、「自分の得意技を持つ」こと、そして「前向きに取り組む」ことです。実はこの三つの力は、お互いに関連し合っているのです。ソチの冬季オリンピックでも、日本選手達は一生懸命に頑張りました。勝負は抜きにしても、その姿をテレビで見て感動するのは、選手達のひたむきに頂点を目指す意志と、そこまで自分を鍛え上げた姿です。そこで「三つの力」がものを言うのです。
 その第一「自分の意志を持つ」では、有力選手たちは、はっきりと「オリンピックに出て優勝する」という目標を持っていました。だからこそ長い厳しい稽古に堪えられたのです。途中怪我やスランプでくじけそうになることもあったのですが、意志の力で乗り越えてきました。浅田選手が本番で完璧にジャンプを決めた後に流した涙は、遂に本番で誰もできなかったジャンプを全部成功させたという達成感ではなかったでしょうか。意志の力は目には見えませんが、自分の進む方向を定める強い力です。その反対に「自分の意志を持たない」とどうなるか考えたらよく分かります。自分に自信が持てない人たちだけが集まると、誰かの主張に付和雷同しがちになります。そのままにしていると、リーダーが間違ったことをいうと、みんなが大変な目に遭う恐れがありますし、どうして良いかおろおろしなくてはなりません。「赤信号、みんなで渡れば恐くない」という交通標語のパロディがありますが、もしそれで事故が起きたら誰の所為にするのでしょうか。つまり自分の意志を持つには、自分の判断に自信を持たなくてはならないということになります。

 第二は「自分の得意技を持つ」ですが、浅田選手はトリプルアクセル、つまり三回転半という他の誰も跳ばなかったオンリーワンの技を成功させました。皆さん、是非自分の得意技を磨いてください。得意技を持っていると、それを武器にすれば勝てるあるいは、この得意技を使えばできるなど、自信が生まれてきます。それが大切なのです。今度のオリンピックでは、スケートの他にもハーフパイプなど、新しい種目で若い日本人選手の活躍がありました。海外で行われている競技で各地を転戦しながら、自分を信じて、技を磨いていった結果ですが、その過程で自分の力、ライバルの力を熟知し、どうすれば勝てるかを冷静に考えた結果、得意技を磨き、ここでこの技を絶対に成功させるという信念で、結果を出すことができたのです。

 第三は「前向きに取り組む」ということです。「頑張る」あるいは、「チャレンジ」という言葉がこれに近いのですが、それに加えて「きっとできる!」、「一発やってやれ」と考えることが大切です。得意技でも成功させなければ結果は出ません。結果を出すには《できる》と信じて取り組む他はありません。以上、三つのことはお互いに関連し合っていて、どれが欠けてもうまく行かないことがお分かりだと思います。
 さて、「二つの技」です。一旦実社会に出て自分に仕事が与えられると、何もかも分からないものだらけで、大学で学んだことが直接役立つのはごくわずかです。望まれる内容の仕事をするためには、改めて内容を理解し、そのための勉強が必要になります。中には当然うまく行かないことも出てくるでしょう。そんな時にお薦めできるのが「三現主義」と「PDCAの輪を回す」という技です。技といってもトリプルアクセルのように難しいことではありませんし、皆さん1人ひとりのペースでもできることです。是非この二つの技を使いこなしてください。「三現主義」とは現場・現物・現状をみるということで、問題が起きたときに、人から聞いたことや読んだことだけで頭で考えて判断せずに、その起きた場所で、何がどのようになったのかを自分の目で確認することです。次にPDCA、これはプラン・ドゥー・チェック・アクションのことです。三現主義で事実をつかんだら、自分がその事実に対して何をどのようにするのかを決めなくてはなりません。計画をして、実行し、その結果を判断して、改善すべきことは修正をする、これを何回も繰り返すことを「輪を回す」と表現するのです。

 今までやったことのない仕事を任されたとき、間違うことは恥ではありません。しかし同じ間違いを繰り返してはいけません。そんな時PDCAの輪を回すのです。回せば回すだけ、仕事の成果は目に見えてよくなっていくものです。

 皆さんは卒業すると、これまでの学生時代と少し違って、自分の役割としてやらねばならないことが指示され、それをきちんと実行するということが要求されるようになります。しかも、どうやったらそれができるのかも分からない問題が、沢山でてきます。ではどうするのか? 皆さんが考えなければならないことは、社会が皆さんに要求する力を養わなければならないということです。すでに在学中にも、様々な活動の中で強めてきた力ですが、それを今一度点検することです。 ピンチに立たされたときにこそ、今私が言った三つの力と二つの技が生きることでしょう。

 社会人と申しますと、皆さんの中には、一度社会に出られて再び専門知識を取得するために入学された方もいらっしゃいます。若い学生にとって良き先輩となり、また、既にお持ちで学生から頼りにもされた教養や知恵をさらに高めようとされてきたそのご努力に、深い感謝の意を表したいと思います。ありがとうございます、そして、ご苦労様でした。
 卒業生、修了生の皆さん、今後も芸短で過ごした年月を自信の源とし、沢山の引き出しを持って、希望する道を邁進して下さい。必ず道は開けるし、本学で深い教養を身に付けた皆さんは、周囲を幸せにすることができます。私は、皆さんと一緒に過ごしたこの年月を愛おしく思っています。卒業しても、母校に時々遊びに来て欲しいし、町であったときには、どうぞ、元気な声をかけてください。

 三つの力と二つの技、皆さんに伝えたいことがたくさんありますが、最後にこの言葉を贈り、式辞とします。「おめでとう、そして本学で得た様々な絆を胸に、思い切って未来に向かって飛び立て!あなた方にはそれが出来る力があるよ!」

平成26年3月24日
大分県立芸術文化短期大学 学長 中山 欽吾


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