「第53回入学式・第35回専攻科入学式」を行いました

2013年04月03日

 4月2日(火)、「第53回入学式・第35回専攻科入学式」を本学体育館で執り行いました。
 平成25年度は、美術科84名、音楽科63名、国際総合学科111名、情報コミュニケーション学科127名の計385名、また専攻科は造形専攻26名、専攻科音楽専攻21名、計47名が本学に入学しました。

 当日はあいにくの雨でしたが、みなさんの輝いた笑顔が印象的でした。

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎します。

第53回入学式・第35回専攻科入学式 学長式辞
 芸術文化短期大学に入学された皆さん、また、認定専攻科の第6期生となられた皆さん、御入学まことにおめでとうございます。ご臨席いただいた広瀬大分県知事をはじめ、ご来賓の方々、本学役員、教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 また、本式典にご参列下さいました皆さんのご家族、関係者の方々にも、心からお祝いを申し上げる次第です。九年の義務教育と三年の高校生活を終えて入学された皆さんは、十八歳、十九歳の方々でしょうが、中には実社会の経験を持ち、更に勉学を志した方もいらっしゃいます。こうして様々なキャリアを持った人達が同じ教室で机を並べるのが、本学のいいところです。

 本学は、県立となっていますが、七年前から公立大学法人という独自経営を行う組織になっています。芸術系として美術科と音楽科、人文系として国際総合学科と情報コミュニケーション学科の四学科と、それに加えて、造形と音楽の二つの学士号が授与される認定専攻科から成っています。この認定専攻科では、今春5回目の修了生を出し、「芸術学」学士号取得者は開設後五年間で二百名を超えることになりました。四年制大学と同じ学士号をとることができるコースですから、大学院へ進学し、すでに修士号を獲得した先輩も出ています。専攻科に進まれる皆さんは、一層の専門性を獲得するために、自信を持って更に学習を重ね、所期の成果を挙げられるよう心から願うものです。


 さて、卒業生の就職状況ですが、芸術系の学生が一般企業や注目すべき方面に就職し、また、学科卒業後に四年制大学へ編入学したり、認定専攻科修了後に大学院へも進学しています。これらは、大学として、社会に出ることの意味合いや、自分の力にあった進路について考える機会を増やしてきた成果であります。
卒業後の進路の多様化は、公立短大の一つの特長であります。最終進路の判断を大学二年まで留保できるという学生にとってのメリットも、結果的に活用されつつあります。しかしながら、十八歳人口の減少など、世の中の変化が進む今の時代、その変化に対応したしなやかな経営が必要であり、より魅力的な大学となることが必要です。そのためにはどうすれば良いのか?過去の伝統にとらわれない、新たな発想が必要です。このような考えで、昨年から大学全体の見直しを始めました。

 今年度は、まず従来の国際文化学科から国際総合学科への変更を行いました。これまでは豊かな教養と国際理解を主眼とした教育でしたが、この四月からはその基礎教養の上に、「国際コミュニケーション」、「観光マネジメント」、「現代キャリア」の三つのコースを作りました。教養をベースにしながら、さらに希望する仕事に関する専門分野の基礎知識も学習することで、よりよい社会理解に繋がるよう考慮されています。

 一方、美術科のうち、デザイン専攻と生活造形専攻を統合して、新たにヴィジュアルデザイン、ウェブデザイン、プロダクトデザインの
三分野を作りました。一年生前期にはその全ての基礎を全員が学び、後期以降、専門別に分かれるという新しいカリキュラムとなります。デザインの世界も日進月歩、工業的な応用も進んでいますし、コンピュータの進歩でネット社会が大きく拡大し、新たなデザイン分野が広がっていますので、それに合わせた改革です。基礎で美的センスを磨き、それにプラスする形で工業的な進歩を取り入れていくものであり、卒業後の働く場をどう確保するかという考えに基づくものです。

 また、一旦社会に出た方や、シニア時代を迎えて今までやれなかった勉強をやり直したいという方に対して、生涯学習部門も立ち上げる準備を進めています。勿論、この部門は、学生教育本体に比べれば、はるかに小さな存在ですが、キャンパスに様々な学びの機会があり、様々な年齢の人達が集まるというかたちを作ろうというわけです。皆さんも将来、学び直しに本学に戻ってくることも夢ではありません。

 さて、大学に入ると、一年生から、独り立ちして社会に出て行くということを意識した勉強を始めます。高校までのように与えられた科目を一方的に受け入れるのではなく、みずから問題を見つけ、それを解いていく力が求められます。また、それぞれの学科の特徴ある専門知識や専門技能・技術の習得以外に、もっと広い範囲の学習をする機会もあります。芸術文化的な環境、芸術系と人文系の学科がお互いに顔が見える範囲のキャンパスで、共に二年間学ぶこの環境があるからこそ、就職した企業から「いい人が来てくれた」と高い評価も受けている理由ともなっているのです。

 本学は、積極的に社会と関わるという方針を掲げていますので、在学中から社会の方々、そして海外の方々とのおつき合いも始まります。こちらから社会に出ていくという前向きの行動、これを「アウトリーチ」と言いますが、音楽科や美術科では、地域の子供達やシニアの方々と一緒に演奏会や写生大会をする学外活動があります。また、人文系では、社会で活躍している方々を招いて勉強し、その活動に参加する地域社会特講とサービスラーニング、テーマを決めて外に出て勉強する実地経験や海外語学留学など、様々な活動が計画されています。こうした学外活動をサポートするために、大分市、由布市、竹田市のほか、文化芸術団体やマスコミ等と友好交流協定を結んでいます。特に、竹田市では、廃校となっていた下竹田小学校を本学のサテライトキャンパスとして活用しており、美術制作、ゼミ合宿など、様々な集いが行われて、地元からは学校の賑わいが戻ったと喜ばれています。

 海外への短期留学制度では、米国、英国、フランス、ニュージランド、中国、韓国で、多くの学生達が国際的な交流の機会を含む、有意義で充実した研修をしています。こうした様々な経験が、学生生活をさらに豊かにしていくと同時に、コミュニケーション力を養うために大いに役立つのです。

 本学は、魅力発見とその発信に努めて「小さくともキラキラ輝く宝石のような」存在にしたいという目標を掲げて四年になりました。最近では、キラキラ輝くのは当たり前になってきました。次は、ただ輝くだけでなく、地域の力になる活動を続ける中で、「芸短生がいたからできた」といわれるような関係を社会としっかり築きたい、文化が向上するための栄養ともいうべきものを地域に届ける血液の役割を果たしたい、そう願っています。幸い、県の総合文化ゾーンとして、iichiko総合文化センターと二年後に開館する県立美術館とを一体運営することが県で決まっていますので、本学学生の活動が期待されているといってよいでしょう。

 私は本学の学長の傍ら、iichiko総合文化センターの館長を仰せつかりました。本学学生の皆さんには、総合文化センターを一つの学びの場として実務経験の場として、また、訪れる多くの市民、県民の皆様との距離を縮めていく交流の場として、大きな役割を果たして頂きたいと願っています。
保護者の皆様、今日入学されたお子さまは、今までの高校時代までとは比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになります。これからは是非、一歩離れてお子さまを見て頂きたいと思います。入学した年と卒業する年の2年しかない短期大学では、新入生の皆さんは、早ければ二年間の勉学の後に、社会に巣立って行くことになります。本学での様々な経験の中で、自分の意志、自分の力で自分の将来像を描いてみることこそが、これからの本人自身の人生を意味あるものにして行く土台になる、と私は考えています。

 さて、いよいよオリエンテーションが始まり、皆さんは、最初にどの課目をどの先生に教わるのかを決めていく作業に入ります。明日に向かって、待ったなしの毎日が始まります。その気になれば、きっと大きなこともできる!きっと輝くこともできる! 私は学生皆さんにそう断言し、式辞といたします。
平成二十五年四月二日
学長 中山 欽吾


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