第4回学長プロジェクト・JICA黒田篤郎理事による特別講演が行われました
2010年11月17日
11月4日、今年度第4回目となる学長プロジェクトが本学人文棟大講義室で行われました。講演したのは、JICA(国際協力機構)理事の黒田篤郎さん。テーマは「アジアは一つになれるのか~東アジア共同体の行方」。公開講座として一般県民にも開放しましたので、聴講者は学生を含めて160名にのぼりました。
黒田さんは経済産業省の出身で、これまでJETRO(日本貿易振興会)香港センターや同バンコクセンターに勤務し、アジア各地域の経済状況を調査してきました。また、経済産業省では中国、インド、ベトナムとの通商交渉を担当したほか、現在、JICAではODAによる経済協力を実施しています。経済産業省きっての「アジア通」といわれています。
今回の特別講義では、「アジアがEUと同じような経済圏にまとまるのか」「アジア共同体が構築する可能性があるのか」を詳細な資料を基に、中国やインドの企業の具体例を出しながら、非常に分かりやすい講義となりました。まず最初に、「東アジアに含まれる国々」を定義し、既に東アジアが欧米と肩を並べる経済規模に達し、「世界の工場」になっていること、産業ネットワークが進み、水平分業が主流になっていること、最近話題になっている自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)やTPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ)の状況や課題に触れました。
講義のまとめとして、「東アジア共同体に向かう潮流は加速しているが、政治・治安、貧困・格差、環境・エネルギーなど、地域の共通課題も多い。そうしたなかで、日本経済の発展はアジア経済の成長と不可分であり、さまざまなビジネスチャンスを生かすべき」と訴えました。
最後に黒田さんは、「九州はアジアに近い。アジアの時代は九州の時代であり、日本の若者の活躍場所もアジアにたくさんあります。アジアで生きていくこと、アジアとともに伸びていくことを考えて行動して欲しい」と学生たちに呼びかけました。
聴講した学生たちは、国際関係について大学の授業のなかで学んでいるものの、あまり身近にアジアについて考えてこなかったこともあり、受講アンケートを見ると、強い印象を受けたとの回答が多く寄せられていました。
受講アンケートの一部を紹介します。
また、講演の資料は下記からご覧になれます。
今回の特別講義では、「アジアがEUと同じような経済圏にまとまるのか」「アジア共同体が構築する可能性があるのか」を詳細な資料を基に、中国やインドの企業の具体例を出しながら、非常に分かりやすい講義となりました。まず最初に、「東アジアに含まれる国々」を定義し、既に東アジアが欧米と肩を並べる経済規模に達し、「世界の工場」になっていること、産業ネットワークが進み、水平分業が主流になっていること、最近話題になっている自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)やTPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ)の状況や課題に触れました。
講義のまとめとして、「東アジア共同体に向かう潮流は加速しているが、政治・治安、貧困・格差、環境・エネルギーなど、地域の共通課題も多い。そうしたなかで、日本経済の発展はアジア経済の成長と不可分であり、さまざまなビジネスチャンスを生かすべき」と訴えました。
最後に黒田さんは、「九州はアジアに近い。アジアの時代は九州の時代であり、日本の若者の活躍場所もアジアにたくさんあります。アジアで生きていくこと、アジアとともに伸びていくことを考えて行動して欲しい」と学生たちに呼びかけました。
聴講した学生たちは、国際関係について大学の授業のなかで学んでいるものの、あまり身近にアジアについて考えてこなかったこともあり、受講アンケートを見ると、強い印象を受けたとの回答が多く寄せられていました。
受講アンケートの一部を紹介します。
また、講演の資料は下記からご覧になれます。
欧州や北米はアジアに比べてかなり経済が発達しているというイメージを持っていましたが、今回のお話を聞いて、アジアはいま大きく成長し、分業システムというアジア独特の方法を活用していること、関税障壁の問題はあるが、経済連携等のさまざまな取り組みにより乗り越えようとしていることがわかりました。経済に興味がわいてきました。
情報コミュニケーション学科1年 桂木舞
以前からJICAなどによる国際協力のことについて興味がありましたので、この講演を楽しみにしていました。EUではそれぞれの国を自由に行き来できることや関税がないことを知りました。「国際関係論」の授業で、東アジア共同体のことや「ASEAN+3」のことを勉強したばかりなので、よく頭に入りました。インドの家電の話で、冷蔵庫にカギを付けているということを知り驚きました。「もうすぐ日本はGDPで中国に追い抜かれる」といわれているのは知っていましたが、それがまさか今年になるとは思っても見ませんでした。しかしながら、1人あたりGDPは日本がまだ10倍だということで、中国の格差問題も考えさせられました。
国際文化学科1年 牟禮夏夢
JICAの方から直接、お話を聞くことができて非常によい経験をすることができたと思いました。グローバル化がアジア内にも広がる一方で、無視できない格差があるのも事実です。アジアの中の日本にいる私が近隣諸国のために何ができるのだろうかと考えました。いきなり大それたことをするのには無理があるかも知れませんが、まずは草の根レベルで国際協力をしてみたいと思いました。
国際文化学科2年 黒岩迪子
アジアがどんどん成長していることを感じました。とくに経済、産業面で中国が急成長していますが、尖閣諸島問題で中国との仲が悪くなれば、日本はどうなっていくんだろうと不安になります。他国との協力の大切さを実感しています。
国際文化学科2年 黒木絢帆