Epistula Vol.27 (2012年03月31日付)掲載

教養とは何でしょう

 国際文化学科には、様々な科目が用意されており、豊かな教養を育む学科だと考えられています。ところで、その教養とは一体どんなものでしょうか?皆さんは小学校時代から今まで、様々な事を勉強して学びとってきました。その学んだことは、知識となりますが、知識が多いことが豊かな教養を持つことになるのでしょうか。

 半年ほど前にキャリアプランニングという授業で、『頭の引き出しを増やす』というお話をしました。答えの与えられていない問題があると、その答えを見つけ出すために人はどのような方法をとるかというお話の中で、頭の引き出しを沢山持つことが、答えを探す大きな力になるのだと言ったのです。そこで言う『頭の中の引き出し』こそが教養の本体だと思います。

 つまり教養とは、ため込んだ知識を応用できる形に変えて、いつでも使えるように準備ができている状態をいうと考えるのです。これを「頭の中を耕す」という風に考えるのが英語で言うカルチャーという言葉です。通常、文化と訳しますが、動詞のカルティベイトは耕すという意味で、このカルチャーという言葉には教養という意味もあります。つまり引き出しの中には一度知識を耕したあとで入れておく、それが教養の正体であり、文化でもあるのです。

 ではどうすれば知識を耕すことができるのか。私は、そこに右脳の役割があるのだと思います。左脳で得た知識を右脳の助けを借りて耕して、引き出しに蓄えておく。だからこそカルチャーが文化という訳にもなるのではないかと思います。教養は、リベラル・アーツとも言います。リベラルとは「専門に偏らない」、アーツとは「経験を通じて習得するもの」をいい、ただ物知りというだけでなく、その人が持つ素養が知識に加味されていることは明らかです。このような抽象概念の熟語は明治期に外国語を和訳して作られたものが多く、その語源をたどると真の意味が浮き彫りにできるわけです。国際文化学科が芸術系学科と共存する意義は大きいと言わなければなりません。

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