Epistula Vol.24 (2011年09月15日付)掲載

社会との関わり

 皆さんは本学に入学されてどのような毎日を送っていますか?楽しいですか、それとも苦しいですか。そのことを誰かと話したことはありますか?誰かから相談を受けたことはありますか?今回は私の経験を通して「社会との関わり」についてお話ししましょう。

 私はかつて米国勤務の経験があります。様々な国から来た人たちとの交流では「人間は皆同じだ!」と心強く思った経験もありましたが、どうしても理解し合えなかったこともありました。それが、最近図書館に入った「木を見る西洋人と森を見る東洋人」という本を読んで目からウロコが取れました。「生まれた国も育った環境も違う人同士でも、話せば分かる」と思っていたことが、実は大きな誤解で、理解し合うにはお互いの属する社会間の壁を知り、乗り越える努力が必要だったと分かったからです。

 日本でいわれる村社会、移民国家の米国社会、長い歴史を持つ西ヨーロッパ社会、悠久の歴史を持つ中国社会、どれを取り上げても、そこに属する人々の発想や思考形態は根本的に違います。交流とはそのことを知った上で組み立てなければならないのです。

 情報には必ず知覚・感情・思考が伴いますから、心と心の情報交換でもあり、その育った経験に基づくモノの考え方が、情報の内容を左右することは当然です。子どもの時には家族同士、学校では先生やクラスの友達と、成長につれてどんどん世界は広がります。しかしその段階はまだ自分の育った狭い社会の中での話です。それでも人間は一人一人が違っていて、同じ情報を流しても、反応は十人十色です。情報の流し方もいろいろあって、何をどのように使えば自分の意見が正しく相手に届くか、またどうすれば他から発信された情報を正しく理解できるのかなどを学ぶことで、積極的な「社会との関わり」方が分かるようになるでしょう。

 それには、いかに積極的に多様な「社会との関わり」を経験するかが大切です。海外語学実習や、実際に社会に出て行って学ぶ機会を重視している本学は、書いたものを頭で学ぶだけではない、広い社会を知る絶好の環境ですから、「それを利用しよう」という気持があれば、得るものは大きいと確信しています。

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