Epistula Vol.20(2010年07月01日付)掲載

社会に出るということ

学長イラスト  早いもので、芸文短大の学長に着任して1年半が経ちました。その間に2度の卒業式を経験し、着任当時いた学生諸君は、専攻科進学生を除き卒業していきました。短大の2年間は、あっという間に過ぎていくので、その間に社会に出る準備をしなければならないのは大変だなあと思う半面で、芸文短大なら大丈夫だとも思っています。

 今春の就職戦線は、年末までは未曾有の不調でした。しかし、年明け以来急カーブで挽回し、終わってみれば決定者数も決定率も昨年を上回ることができました。もちろん関係者みんなの懸命の進路開拓やアドバイス、皆さん自身の危機感があったればこそですが、それだけだったのか、ここまで回復したのは「なしか?(なぜか)」という隠れた理由があったのではないかと思っています。

 まず求人側から見て、「採用する人はこんな人であって欲しい」といった期待と、学生側の「こういう仕事をしたい」という希望が、どうすればうまくマッチするのか考えて見ましょう。それはまた「社会に出る意味」を自らに問い直すことでもあります。

 毎年の就職活動では、事務職の希望者が群を抜いているのが特徴的です。仕事として安定しているとか、デスクワークの方が楽だと思っているのかもしれません。しかし、求人側がそのような考えの人を採用したいかどうかは別の話です。それに単純な事務職のポストは今後とも減ることはあっても増えることはないでしょう。単純な仕事は不景気になる度に派遣やアルバイトに置き換わっていくからです。一方で、これから伸びていく仕事では、技術・技能を持っている人、様々な仕事に対応できる応用力や柔軟性を持っている
人達の重要度が高まります。

 事務だけしか希望しない人と、色々なことができてしかも事務もできる人のどちらが求人側の希望に沿うのか考えれば、後者を選んだ学生の希望が合致する可能性が高いのは
誰でも理解できるでしょう。芸文短大は、在学時からどんどん社会に参画し、「理性」と「感性」の両方の力で物事を見るという、他では得難い教育機会が得られるのですから、この希望を叶える確率は大きいと断言しても良いと思います。そのことが社会に認められてきたのではないでしょうか。

このページのトップへ▲

HOME > 大学案内 > 学長からの­メッセージ­ > コラム > 社会に出るということ

入試情報 学長メッセージ 第52回卒業修了制作展 ムービーギャラリー 竹田キャンパス
教育と研究
文部科学省2009年度
大学教育推進プログラム
地域等との連携
法人・大学運営
施設利用について
お問い合わせ
2015年度版大学案内