Epistula Vol.17 (2009年10月01日付)掲載

京都研修旅行に参加して

 8月26日(水)から2泊3日で、国際文化学科で日本美術史を教える水野先生と美術科で日本画を教える河上先生に引率され、副手と学生達有志36名が参加した京都研修旅行に、私も夫婦で参加させていただきました。実は丁度40年前、新婚旅行で京都を訪れていたのですが、その時には有名な幾つかのお寺を訪問したばかりで、表面的な京都見物に留まっていました。その後、東京の幾つかの美術館で、珠玉の日本美術を観る機会は何度かありましたが、やはり京都の歴史の深みの中で観るのとは違います。今回、水野先生から教わっている学生達が昨年に続いて研修旅行をするという話を聞いて、みんなと一緒に京都を勉強し直してみたいと思ったのはこんな訳があったのです。
 参加者が多いので、少しはお手伝いにでもなるかと思ったのですが、結局一緒になって感心したり感激したりの3日間でした。建物でいえば、京都御所の寝殿造、本願寺の書院造、曼殊院門跡の数寄屋造、京都島原にある角屋の揚屋建築、そして京都の町屋と歴史的にも形式的にも多彩な建築を楽しむことができました。曼殊院は中に上がって隅々まで拝観できたし、角屋では閉館中のところを特別に開けてくださり、保存会の理事長自らが詳しく案内してくださいました。絵画では、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一など江戸時代を彩った琳派の巨匠や、伊藤若冲の見事な絵の数々を堪能できた相国寺承天閣や細見美術館、工芸ではパリ万博でヨーロッパの人たちを魅了した並河靖之の七宝記念館、そして紫織庵は様々な京友禅の織物や、保存されている貴重な屏風絵を観ることのできる町屋の美術館でした。説明に立ったご主人は私立の美大でも染色を教えておられる方でしたが、畳の部屋では屏風は座った目線で観るのだという説明に、全員きちんと正座をしてハンケチで口を押さえながら熱心に耳を傾ける学生達の鑑賞態度をみて、感心しておられたのが印象的でした。
 三条大橋に程近い、外人客も多い旅館に合宿したのを良いことに、朝早く抜け出して加茂川の風景をスケッチできたのはおまけですが、暑さを忘れたぎっしり詰まった旅でした。

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