熊本ひのくに総体も最終日を迎えて後2試合を残すのみとなった。この日九州地方には台風11号が接近し東岸は大荒れと報じられている。これから始まる水の戦士たちの健闘を見守るかのように阿蘇の山々が風雨をくい止めているようで、熊高ドームはベストコンディションである。
 ここまでの試合で9得点を上げているエースフローター阿久根を擁しゴール前には絶対の自信を武器にあがってきた鹿児島南。全国JO優勝経験者を含む1・2年生主体に球技センスとひたむきさでここまで来た学法津田学園。体格・パワーとも鹿南が上と見られるがどんなドラマが見られるか…。
 津田は相手フローター阿久根への特別なシフトは引かず、マンツーマンからドロップバックで動きのあるディフェンス、ボールチェックも早い。鹿南は徹底した阿久根へのパス回しでゴール前勝負の構え。しかし先制したのは津田、村岡が左サイドからゲット。鹿南も阿久根へのパスと見せかけ吉村が7mからゴール右隅へループを決める。その後中盤までに阿久根は3得点、得意のフローターポジションやミドルを打ち込むと、パワープレー時にも吉村が得点する。攻め手が鋭いドライブとコンビネーションクロスの津田は、退水を奪取し菅野の落ち着いたシュートで得点、フローター阿久根の至近距離からのシュートやパワーのあるミドルなどもGK林の好セーブや全員でボールを追いかけてのハンズアップでよくしのいでいるが、2pは得点できず2点差のまま後半へ。3p津田は菅野・石川のセンスの良いシュートで1点差まで追い上げ、退水チャンスにT.O.して逆転に望みをかけるが、鹿南のガード堅く追いつくことができない。4pには鹿南ドライバー陣がよく動き、退水チャンスに福永がこれを制し3点差として勝負あったかと思われた。しかし津田、最後のがんばりで村岡のバックシュート、残り21"にはパワープレー時に菅野が決めてまた1点差まで詰め寄る。津田は激しい当たりでボールを奪おうとするが、最後は鹿南:阿久根がとどめのフローティングからのゴールで決着が付く。
 鹿南は九州地区の期待を一身に受けよい結果を残した。津田は小兵揃いであったがその水球センスはさすがとうならせる場面もあった。まだ若いチームなだけに体ができれば全国チャンピオンも夢ではないだろう。

記録者  南 部  健


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