埼玉県・関東地区、今年の各種予選会、さらには昨年度を含めるとこの対戦カードはもう何試合にわたるであろうか、ましてや日頃から合同で練習を重ねている同士である、手の内は承知済みである両チームが全国チャンピオンかけて激突する。
 展開はゆっくりめであるが、互いに相手の動きの読み合いで緊張感の漂う攻防が続く。先制したのは伊奈、エース杉山(哲)がフロートからバックシュート。これまでの対戦結果は秀明に分があるが、これで追いかける状況となり俄然ヒートアップしそうである。しかし秀明は中野(洋)がサイドから振り向きざまのループ、さらに13"には狙いすました7mF.T.シュートを決めあっさり逆転する。その後も同じような展開続き、伊奈は杉山がゴール前で頑張り、三浦・内園もいいところでミドルを決める。一方、秀明はやはり中野兄弟の集中マークをかいくぐったシュートで常に一歩リードをキープする。3pに入り3'27"杉山のバックシュートで同点に追いついた伊奈、なんとかリードを取りたいところだが1'08"の攻防転換時の退水に秀明がT.O.。ここが勝機と読んだとおり吉本がこのチャンスを決め1点リードすると、怒濤のごとく攻防がスピードアップしカウンターの掛け合いから早い展開のパス回しとなり、中野(亮)がノーマークを決め2点差とし突き放しにかかる。4pあきらめない伊奈は4'39"退水をもぎ取り橋本がバウンドで決めて1点差とし、その後も必死に攻め入るが、秀明GK田丸の好守などで得点できず、56"に中野(亮)のだめ押し得点を決められてからは捨て身の居残り策を取る。ここは秀明落ち着いて早攻めはせず、リードを保ったまま準決勝進出を決めた。
 秀明を最後まで苦しめた伊奈の健闘が光る。杉山(哲)は今大会最多得点者にあげられそうな優秀なセンターフォワードといえる。この試合、秀明の中野兄弟2人ともハットトリック、次の試合も注目である。

記録者  南 部  健


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