「昨年の忘れ物を取りに来ました!」と加藤監督が話すとおり、今年優勝候補の筆頭と目される秀明英光、昨年の岐阜インターハイ決勝戦で明大中野とVゴール延長の末敗れ涙をのんだ。その明中はここにはおらず、「継続は力なり」を痛感させられる。方や相手にとって不足なしの福岡工業は「全員一丸・一心不乱に闘うのみ」との意気込み。昨日の四日市中央工業との一戦を見るに、この試合事実上の決勝戦の様相を呈している。
序盤から双方激しい攻防。福岡は徹底したドロップバックでインサイドケア、ミドルシュートを阻止して全員カウンター、セットでフローターエース天本にボールを集中。秀明は相手の出方を伺うように持ち味の自由な攻防スタイル。先制したのは福岡、天本のアシストを受け坂本がワンタッチボレーを見事に決める。1p終了前に秀明もキャプテン河原がフロートプレーから得点し均衡は保たれる。その後どちらに転ぶか全くつかめない展開だが、秀明は執拗なマークをすり抜けて中野(亮)がミドルでゲット。福岡もパワープレーを坂本がサイドから得点し追随する。秀明:河原がいいところで得点し1点リードの4p、またしても中野(亮)が福岡の肉を切るミドルをぐさり。まだまだスピードも高さもある福岡、泳ぎ負けも全く感じられなかったが退水チャンスも逃し追いつけないでいる中、秀明カウンターを掛け、ここに中野(洋)からの20mジャストパスを鋭いドライブで切り込んだ中野(亮)がキャッチ、振り向きざまのループシュートで福岡の骨を断った。
福岡はベンチと一体となった気迫で立ち向かったが及ばずであった。秀明は昨年にまして中野兄弟の秀でた能力に磨きがかかり、いいところでキャプテン河原が要所を締め本当の強さが備わってきた様である。"忘れ物"が見つかるまであと3試合…。
記録者 南 部 健