常総学院は「文武両道」の校風で春の選抜甲子園で優勝したのは記憶に新しいところ、また先の世界水泳50m自由形銅メダルの山野井選手の母校でもある、インハイ初出場ではあるが激戦の関東ブロック突破で目指すは全国優勝と目標は高い。対する山形工業はインハイ14回目の出場で過去準優勝の経験もあり実力のあるチーム。校風である「黒百合精神」のもと純朴・清楚・忍耐と常にひたむきな「全員水球」で挑む。
ジュニアからの経験者が多く個人技に勝る常総が序盤からフル稼働する。谷や中山がシューティングエリア内で味のあるシュートを次々と決める。山形も少ない退水チャンスを吉田が左45°のポジションから確実にゲットし食い下がる。相手の出方になれた2pは執拗に迫る常総の攻撃を山形キャプテンでセンターB斉藤を中心に全員でよく守り、14"には振り絞るように出したカウンターから曲山が決めて1点差に追いすがり後半へ。自力に勝る常総はやはり谷・中山が要所で加点し山形の追撃をしのぎながら逃げ切った、ゲーム運びに一枚上手の感があった。
山形は吉田がパワーのあるシュートで5得点・斉藤が相手エースをよく押さえるなど、3年生として最高の仕事をしたにもかかわらず、力及ばず惜涙を飲んだ。しかし曲山のゴールなど2年生以下の活躍もあり、今後が期待できるチームである。常総は自ら掲げる目標通り優勝をねらえるチームといえる。一戦一戦をおごらず大事に戦っていくことが肝心であろう。
記録者 南 部 健