毎日新聞大分版「はがき随筆」に、本学 学生4人のエッセーが掲載されました
2012年05月31日
5月26日の毎日新聞大分版「はがき随筆」に、本学情報コミュニケーション学科の学生4人のエッセーが掲載されました。
専門科目「日本語表現1」の受講生約70人が、黄金週間の課題「250字のエッセー」として提出したもので、新聞掲載の4作品は、毎日新聞大分支局長が選定されました。
掲載作品は、以下の通りです。
願い
私は母とあまり仲がよくない。妹が仲良く話をしているのをいつも羨ましそうに横目で見ている。妹のように素直になりたいが、強がりな自分が邪魔をする。ある時、リビングに私の母子手帳があった。期待はずれの言葉が書いてありそうで開くのが怖かった。しかし、気になって見た。目から涙がわっと溢れた。迷惑ばかりかけている私のことを「かわいい」と書いてくれていた。よく考えれば、母へなぜか一線おいて接していた。私も今年で19歳。母のことを好きな気持ちは変わらない。20歳、30歳になっても「かわいい」と思ってもらえますように。
私は母とあまり仲がよくない。妹が仲良く話をしているのをいつも羨ましそうに横目で見ている。妹のように素直になりたいが、強がりな自分が邪魔をする。ある時、リビングに私の母子手帳があった。期待はずれの言葉が書いてありそうで開くのが怖かった。しかし、気になって見た。目から涙がわっと溢れた。迷惑ばかりかけている私のことを「かわいい」と書いてくれていた。よく考えれば、母へなぜか一線おいて接していた。私も今年で19歳。母のことを好きな気持ちは変わらない。20歳、30歳になっても「かわいい」と思ってもらえますように。
酒井優菜
ホームシックと妄想
机上に並ぶ大家さんから頂いたピザとチキンに小洒落たワッフルを睨みつけながら、考え事をしている。何かが引っ掛かるのだ。
そういや、三日前にも苺大福を六つも頂いた。どちらも一人暮らしにしては量が多い。大家さんはこれらを私に与える時、念を押してこう言った。「今日中に食べてね」。もう見え見えの透け透けである。あからさまに私を丸く太らせ、いつか食べてやろうと企んでいるのではないか! 油断も隙もありゃしない!
冷めつつあるピザを尻目に止まらない妄想、これもホームシック症状の一つなのかもしれない。
机上に並ぶ大家さんから頂いたピザとチキンに小洒落たワッフルを睨みつけながら、考え事をしている。何かが引っ掛かるのだ。
そういや、三日前にも苺大福を六つも頂いた。どちらも一人暮らしにしては量が多い。大家さんはこれらを私に与える時、念を押してこう言った。「今日中に食べてね」。もう見え見えの透け透けである。あからさまに私を丸く太らせ、いつか食べてやろうと企んでいるのではないか! 油断も隙もありゃしない!
冷めつつあるピザを尻目に止まらない妄想、これもホームシック症状の一つなのかもしれない。
宮崎恵理
おばあちゃんの手
「ゆきちゃん、あんたん手きれいやねぇ」そう言って、おばあちゃんは私の手をとった。おばあちゃんの手はしわくちゃだ。それは、お年寄り独特の手であり、けれども、人生を共に歩んできた特別な手だ。私を初めてだっこした手。毎日、花に水やりをする手。スズメバチにさされたことのある手。たくさんの苦労や喜びが、おばあちゃんの手にしわとして、しっかり刻み込まれている。
おばあちゃんは自分の手を「こんなに汚のぉなった」と言う。私も、おばあちゃんみたいになれるかな。おばあちゃんの手のように立派な人生を歩んでいきたい。
「ゆきちゃん、あんたん手きれいやねぇ」そう言って、おばあちゃんは私の手をとった。おばあちゃんの手はしわくちゃだ。それは、お年寄り独特の手であり、けれども、人生を共に歩んできた特別な手だ。私を初めてだっこした手。毎日、花に水やりをする手。スズメバチにさされたことのある手。たくさんの苦労や喜びが、おばあちゃんの手にしわとして、しっかり刻み込まれている。
おばあちゃんは自分の手を「こんなに汚のぉなった」と言う。私も、おばあちゃんみたいになれるかな。おばあちゃんの手のように立派な人生を歩んでいきたい。
安井結葵乃
今日の晩御飯
晩御飯の写真を添付してメールを送る。宛先は父ちゃん。この春から私の日課だ。大学生になって、一人暮らしを始めた。父ちゃんも一人暮らしを始めた。
一日目の夜、私のことを心配していた父ちゃんに「私は大丈夫だよ」という意味を込めて、写真付きのメールを送った。
それから毎日、父ちゃんとメールのやりとりをする。最近は父ちゃんも晩御飯の写真を送ってくれるようになった。父ちゃんの手作り料理は、なかなかおいしそうだ。その写真を見て、私も父ちゃんは元気そうだな、と安心する。
今日の晩御飯は何にしようか。
晩御飯の写真を添付してメールを送る。宛先は父ちゃん。この春から私の日課だ。大学生になって、一人暮らしを始めた。父ちゃんも一人暮らしを始めた。
一日目の夜、私のことを心配していた父ちゃんに「私は大丈夫だよ」という意味を込めて、写真付きのメールを送った。
それから毎日、父ちゃんとメールのやりとりをする。最近は父ちゃんも晩御飯の写真を送ってくれるようになった。父ちゃんの手作り料理は、なかなかおいしそうだ。その写真を見て、私も父ちゃんは元気そうだな、と安心する。
今日の晩御飯は何にしようか。
小浜唯菜
2012年度 > 毎日新聞大分版「はがき随筆」に、本学 学生4人のエッセーが掲載されました