第52回入学式・第34回専攻科入学式 学長式辞
2012年04月04日
芸術文化短期大学に入学された376名の皆さん、また、認定専攻科の第五期生となる50名の皆さん、御入学まことにおめでとうございます。ご臨席いただいた大分県知事、大分県議会議長はじめご来賓の方々、本学役員、教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
また本式典にご参列下さいました皆さんのご家族、関係者の方々も、喜びは如何ばかりかと存じます。心からお祝いを申し上げる次第です。9年の義務教育と3年の高校生活を終えて入学された皆さんは、18歳、19歳の方々でしょうが、中には実社会の経験を持ち、更に勉学を志した方もいらっしゃるでしょう。こうして様々なキャリアを持った人達が同じ教室で机を並べるのが、本学のいいところです。
さて、今年の入学式は、昨年五十周年を迎えた本学が次の50年に向かって新たな出発をした区切りの1年目という意味で、皆さんにとって記念すべきものとなりました。小さな公立短大と思っているかもしれませんが、創立以来半世紀で、12,946名の卒業生達が巣立って行った中から、社会で活躍する人材も沢山輩出しています。
さて、今年の入学式は、昨年五十周年を迎えた本学が次の50年に向かって新たな出発をした区切りの1年目という意味で、皆さんにとって記念すべきものとなりました。小さな公立短大と思っているかもしれませんが、創立以来半世紀で、12,946名の卒業生達が巣立って行った中から、社会で活躍する人材も沢山輩出しています。
ここで、大分県立芸術文化短期大学について少しお話ししたいと思います。本学は、県立という名前はそのままですが、6年前から公立大学法人という独自経営を行う組織になっています。芸術系として美術と音楽、人文系として国際文化と情報コミュニケーションの四学科と、それに加えて、造形と音楽の二つの学士号が授与される認定専攻科から成っています。この認定専攻科では、今春4回目の修了生を出し、「芸術学」学士号取得者は開設後4年間で170名を超えることになりました。4年制大学と同じ学士号をとることができるコースですから、大学院へ進学し、すでに院卒として社会に出た先輩も出ています。専攻科に進まれる皆さんは、一層の専門性を獲得するために、自信を持って更に学習を重ね、所期の成果を挙げられるよう心から願うものです。
さて、大学に入ると、1年前期のスタート直後から、独り立ちして社会に出て行くということを意識した勉強を全力投球でやって頂くために、我々は、知恵を絞って教育内容を考えています。本学の教育目的にも「幅広い教養及び優れた技能を有する人間性豊かな人材を育成し、もって芸術の創造、文化の進展、及び地域社会の発展に寄与する」と唱っているように、専門教育と並んで教養教育が重要な役割を担います。教養教育といいますが、教養という語も文化と言う意味も英語で言えばカルチャーです。カルチャーとは耕すという意味で、私は、左の脳で受けた知識を感性を司る右脳が耕して、スキルや知恵として頭の引き出しに貯めておくのだと、言っています。
皆さんは、高校までのように与えられた科目を一方的に受け入れるのではなく、それぞれの学科の特徴ある専門知識や専門技能・技術の習得以外にも、望めばもっと広い範囲の学習をする機会もあり、加えて、芸術文化的な環境で2年間勉強できるという、芸術系と人文系の学科がお互いに顔が見える範囲のキャンパスで共に学んでいる環境ならではの特権を持っています。このことは、脳科学的に見ても右脳と左脳のバランスの取れた成長に繋がり、知識をスキルに変える人間性豊かな人格形成が行われるのです。そのことが本学の大きな特徴の一つですし、就職した企業から「いい人が来てくれた」と高い評価も受けている理由ともなっているのです。
ご家族の皆様には、今日入学されたお子さまは、今までの高校時代までとは比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになりますので、これからは是非、一歩離れて見て頂きたいと思います。その理由は、入学した年と卒業する年しかない短期大学では、新入生の皆さんは早ければ2年間の勉学の後には、社会に巣立って行かなくてはなりませんから、本学での様々な経験の中で、自分の意志、自分の力で自分の将来像を描いてみることこそが、これからの本人自身の人生を意味あるものにして行く土台になる、と考えているからです。
さて、大学に入ると、1年前期のスタート直後から、独り立ちして社会に出て行くということを意識した勉強を全力投球でやって頂くために、我々は、知恵を絞って教育内容を考えています。本学の教育目的にも「幅広い教養及び優れた技能を有する人間性豊かな人材を育成し、もって芸術の創造、文化の進展、及び地域社会の発展に寄与する」と唱っているように、専門教育と並んで教養教育が重要な役割を担います。教養教育といいますが、教養という語も文化と言う意味も英語で言えばカルチャーです。カルチャーとは耕すという意味で、私は、左の脳で受けた知識を感性を司る右脳が耕して、スキルや知恵として頭の引き出しに貯めておくのだと、言っています。
皆さんは、高校までのように与えられた科目を一方的に受け入れるのではなく、それぞれの学科の特徴ある専門知識や専門技能・技術の習得以外にも、望めばもっと広い範囲の学習をする機会もあり、加えて、芸術文化的な環境で2年間勉強できるという、芸術系と人文系の学科がお互いに顔が見える範囲のキャンパスで共に学んでいる環境ならではの特権を持っています。このことは、脳科学的に見ても右脳と左脳のバランスの取れた成長に繋がり、知識をスキルに変える人間性豊かな人格形成が行われるのです。そのことが本学の大きな特徴の一つですし、就職した企業から「いい人が来てくれた」と高い評価も受けている理由ともなっているのです。
ご家族の皆様には、今日入学されたお子さまは、今までの高校時代までとは比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになりますので、これからは是非、一歩離れて見て頂きたいと思います。その理由は、入学した年と卒業する年しかない短期大学では、新入生の皆さんは早ければ2年間の勉学の後には、社会に巣立って行かなくてはなりませんから、本学での様々な経験の中で、自分の意志、自分の力で自分の将来像を描いてみることこそが、これからの本人自身の人生を意味あるものにして行く土台になる、と考えているからです。
社会人になるための教育と申し上げましたが、本学には、在学中から積極的に社会と関わるという方針があります。社会の方々、そして海外の方々とのおつき合いも始まります。こちらから社会に出ていくという前向きの行動、アウトリーチと言いますが、音楽科や美術科では、地域の子供達やシニアの方々と一緒に演奏会や写生大会を、また、人文系では、社会で活躍している方々を招いて勉強し、その活動に参加する地域社会特講とサービスラーニング、テーマを決めて外に出て勉強するフィールドワークや海外語学留学など、様々な活動が計画されています。こうした学外活動をサポートするために、本学は、大分市、由布市、竹田市のほか、文化芸術団体やマスコミ等と友好交流協定を結んでいます。特に、竹田市では、廃校となっていた下竹田小学校を本学のサテライトキャンパスとして活用しており、美術制作、ゼミ合宿など、様々な集いが行われて、地元からは学校の賑わいが戻ったと喜ばれています。海外への短期留学制度では、米国、英国、フランス、ニュージランド、中国、韓国で、多くの学生達が国際的な交流の機会を含む有意義で充実した研修をしています。こうした様々な経験が、学生生活をさらに豊かにしていくと同時に、コミュニケーション力を養うために大いに役立つのです。
ところで、昨年は、東日本大震災で、15,000人を超える死者と今なお3,000人を超える行方不明者、負傷者も含めると約25,000人の人的被害が出ました。1年経った今、全国で避難している方は340,000人を超え、復興も遅々たるもので、原子力発電所爆発で放射線の影響が広い範囲で日常生活に暗い影を落としていることも、対岸の火事ではありません。今回の大震災は、我々日本人が長い歴史の中で甘受してきた自然の猛威、天災が、たまたま今回は東北地方を襲ったと考えた方が当たっていると思います。その直後から震災にあった人々の行動が世界で賞賛されています。敢然として水門閉鎖や避難誘導に向かって命を亡くされた多くの人達、家族を失いながら黙々と復興に取り組む人達、全国からボランティアで駆けつけた人達、復旧に向かって大活躍の自衛隊の隊員達、みんな日本人です。日本人の何がこのような世界を驚かせた行動に向かわせたのか、それは、個人よりグループの幸せを重視してきた社会があったからではないでしょうか。グループの力を合わせなければならない稲作文化だけでなく、度重なる自然災害の多さから身を守るための知恵が、長年の間に日本人のメンタリティを作り上げたとは言えないでしょうか。
ところで、昨年は、東日本大震災で、15,000人を超える死者と今なお3,000人を超える行方不明者、負傷者も含めると約25,000人の人的被害が出ました。1年経った今、全国で避難している方は340,000人を超え、復興も遅々たるもので、原子力発電所爆発で放射線の影響が広い範囲で日常生活に暗い影を落としていることも、対岸の火事ではありません。今回の大震災は、我々日本人が長い歴史の中で甘受してきた自然の猛威、天災が、たまたま今回は東北地方を襲ったと考えた方が当たっていると思います。その直後から震災にあった人々の行動が世界で賞賛されています。敢然として水門閉鎖や避難誘導に向かって命を亡くされた多くの人達、家族を失いながら黙々と復興に取り組む人達、全国からボランティアで駆けつけた人達、復旧に向かって大活躍の自衛隊の隊員達、みんな日本人です。日本人の何がこのような世界を驚かせた行動に向かわせたのか、それは、個人よりグループの幸せを重視してきた社会があったからではないでしょうか。グループの力を合わせなければならない稲作文化だけでなく、度重なる自然災害の多さから身を守るための知恵が、長年の間に日本人のメンタリティを作り上げたとは言えないでしょうか。
昨年の日本を代表する漢字が「絆」に決まったのは、まさに、何百年に一度しかないような大災害が起きた今、大きな意味を持ったのだと思います。こうした環境の中であるからこそ、新入生の皆さんには、どんな厳しさにも負けない強い精神力を身につけるよう強く希望いたします。そして、皆さんは一人ではない! 周りにはあなたを見守る沢山の人がいる。そのことを信じて絆を深め合って下さい。1人ひとりが、この芸文短大で学ぶと決めたご自分の選択に自信を持って、新たな歩みの一歩を踏み出す決意を固めて下さい。
本学の規模は、総合大学とは異なり決して大きくはありません。しかし、私は、キラキラ輝く宝石のような芸短にしたいと、かねがね言い続けてきました。輝きを見せるためには自らを磨き、どんどん社会に出て行くことが必要で、その結果として全体としてキラキラと輝くことになるのです。最近では、キラキラ輝くのは当たり前になってきました。次は、ただ輝くだけでなく、地域の力になる活動を続ける中で「絆」となる関係を社会としっかり築き、文化が向上するための栄養ともいうべきものを地位に届ける血液の役割を果たしてほしいと願っています。
さて、いよいよオリエンテーションが始まり、皆さんは、最初に何をどの先生に教わるのかを決めていく作業に入ります。明日に向かって、待ったなしの毎日が始まります。その気になれば、きっと大きなこともできる! きっと輝くこともできる! と、私は断言しておきます。
本学の規模は、総合大学とは異なり決して大きくはありません。しかし、私は、キラキラ輝く宝石のような芸短にしたいと、かねがね言い続けてきました。輝きを見せるためには自らを磨き、どんどん社会に出て行くことが必要で、その結果として全体としてキラキラと輝くことになるのです。最近では、キラキラ輝くのは当たり前になってきました。次は、ただ輝くだけでなく、地域の力になる活動を続ける中で「絆」となる関係を社会としっかり築き、文化が向上するための栄養ともいうべきものを地位に届ける血液の役割を果たしてほしいと願っています。
さて、いよいよオリエンテーションが始まり、皆さんは、最初に何をどの先生に教わるのかを決めていく作業に入ります。明日に向かって、待ったなしの毎日が始まります。その気になれば、きっと大きなこともできる! きっと輝くこともできる! と、私は断言しておきます。
平成24年4月3日
大分県立芸術文化短期大学 学長 中山欽吾
大分県立芸術文化短期大学 学長 中山欽吾
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