九州大学会場で、本学助成の「朝鮮映画」上映会
2010年02月24日
本学は07年12月に、日本で初めて「発掘された朝鮮映画上映会」を大分市で開催して以来、日本植民地期の朝鮮映画の上映と研究活動に取り組んできました。
その一環として3月20日(土)、福岡市南区の九州大学大橋キャンパスで開かれる「映画『愛と誓ひ』上映会とシンポジウム」に対して、特別研究費枠を活用して助成します。
近年、日本植民統治下の朝鮮で制作された映画が注目を集めています。その一部は北京やモスクワの倉庫からも見つかりましたが、一般に公開されないまま、日韓映画史の暗闇の中で”秘蔵”されている貴重な映画も少なくありません。
今回上映する映画「愛と誓ひ」は、終戦直前の1945年初夏に封切られた作品です。今井正、崔寅奎(チェ・インギュ)という当時、すでに名声のあった両監督が共同演出した国策映画であり、「朝鮮人特攻隊」をテーマにした作品として、プロパガンダ色がきわめて強いと言えます。
戦後、黒澤明作品に出演した名優・志村喬が特攻隊員の父親(国民学校校長)として登場し、戦争期の代表的な朝鮮人女優である金信哉(キム・シンジェ)が、特攻隊員の夫人役で出演しています。
映画「愛と誓ひ」は、朝鮮人特攻隊という際どいテーマを扱ったため、戦後の日本で一般公開されることもなく、”幻の作品”として放置されてきました。
今回の映画上映会では、韓国から著名な映画史研究家であるキム・ジョンウォン氏(東国大学大学院兼任教授)を解説者に招き、昨年末、「朝鮮人特攻隊」(新潮新書)を出版したジャーナリストのペ・ヨンホン氏からは、ソウルでの取材報告を聞く予定です。
問い合わせは、本学情報コミュニケーション学科教授、下川正晴(携帯090-9796-1720、shimokawa@oita-pjc.ac.jp)までお願いします。
近年、日本植民統治下の朝鮮で制作された映画が注目を集めています。その一部は北京やモスクワの倉庫からも見つかりましたが、一般に公開されないまま、日韓映画史の暗闇の中で”秘蔵”されている貴重な映画も少なくありません。
今回上映する映画「愛と誓ひ」は、終戦直前の1945年初夏に封切られた作品です。今井正、崔寅奎(チェ・インギュ)という当時、すでに名声のあった両監督が共同演出した国策映画であり、「朝鮮人特攻隊」をテーマにした作品として、プロパガンダ色がきわめて強いと言えます。
戦後、黒澤明作品に出演した名優・志村喬が特攻隊員の父親(国民学校校長)として登場し、戦争期の代表的な朝鮮人女優である金信哉(キム・シンジェ)が、特攻隊員の夫人役で出演しています。
映画「愛と誓ひ」は、朝鮮人特攻隊という際どいテーマを扱ったため、戦後の日本で一般公開されることもなく、”幻の作品”として放置されてきました。
今回の映画上映会では、韓国から著名な映画史研究家であるキム・ジョンウォン氏(東国大学大学院兼任教授)を解説者に招き、昨年末、「朝鮮人特攻隊」(新潮新書)を出版したジャーナリストのペ・ヨンホン氏からは、ソウルでの取材報告を聞く予定です。
問い合わせは、本学情報コミュニケーション学科教授、下川正晴(携帯090-9796-1720、shimokawa@oita-pjc.ac.jp)までお願いします。
映画「愛と誓ひ」上映会とシンポジウム
- 日 時: 2010年3月20日(土)午後零時半~同5時半
- 場 所: 九州大学大橋キャンパス5号館511教室
(福岡市南区塩原4-9-1、旧九州芸術工科大学) - 入 場: 無料(収容人員約200人)
- 内 容: 進行=竹田仰・九州大学大学院芸術工学研究院教授
- 午後零時半~同1時15分
取材報告「朝鮮人特攻隊と映画『愛と誓ひ』」(ペ・ヨンホン、新潮新書「朝鮮人特攻隊」著者) - 同1時15分~同2時15分
解説「チェ・インギュ監督の映画と人生」(キム・ジョンウォン、韓国映画史研究家、韓国・東国大学大学院兼任教授)=逐次通訳 - 同2時半~3時45分
映画「愛と誓ひ」(1945年、71分)DVD上映・午後4時~同5時半 シンポジウム「映画『愛と誓ひ』をどうみるか」 - 参加者:
- 有馬学(九州大学名誉教授、日本近代史)▽崔吉城(広島大学名誉教授、比較民俗学)▽有松しづよ(近畿大学非常勤講師、朝鮮女性史)▽下川正晴(大分県立芸術文化短期大学教授、韓国・メディア論)▽ペ・ヨンホン(ジャーナリスト)▽キム・ジョンウォン(映画史研究家)
- 主 催: 「植民地期の朝鮮映画」上映委員会
- 共 催: 日韓次世代交流映画祭
- 助 成: 大分県立芸術文化短期大学