『頭がいい人、悪い人の話し方』著者樋口裕一さん講演会を開催しました
2009年12月16日
12月1日(火)の地域社会特講は、県民公開講座・第4回学長プロジェクトとして樋口裕一さんを講師にお招きしました。
樋口さんは250万部のベストセラーとなった『頭がいい人、悪い人の話し方』の著者であり、これまでに200冊を超える書籍を執筆されています。現在は多摩大学経営情報学部教授、通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長、さらには著書のテーマにも度々登場するクラシック音楽を広める活動など多岐にわたってご活躍されている方です。
経歴の限りでは少々難しい内容になるだろうと、やや構え気味で聴講する学生の予想に反して「私はしゃべりが下手です」と開口一番。さらに驚かされたのは20数年前までは人前に立つだけで足が震え、人と上手くコミュニケーションを図れなかったということ。そのため、大学を卒業しても就職できず予備校の講師などをして過ごしていた時代があったそうです。そんな過去を持つ樋口さんが、『知的な話し方を身につける。そのためにクラシックを聴こう!』と題してお話くださるのですからなおさら興味深い。
はじめに、「人は話し方で全てを判断されてしまう」と提言。学校では勉強ができれば優秀とされていたが、社会に出ると試験を受けていい成績をとればOKといったルールはない。どんなに勉強ができても外に発信しなければ認めてもらえず仕事も与えられない。つまりは人を納得、理解、感動させられるコミュニケーション力を発揮しなければ社会から相手にされない。だからこそ、今から知的な話し方を身につける必要性があるのだと説明されました。
それから「人間は変われる存在である」、「人の話しをしっかり聞くこと」、「質問をする」、「樋口式四部構成の型」など、知的な話し方に必要なテクニックをご自身の実体験を含めながら伝授していただきました。なかでも印象的だったのは「好きなものを持て」といったお話です。樋口さんは少年時代に聴いた『ウィリアムテル序曲』に感動したことがきっかけでクラシック音楽のマニア道を歩まれます。当時、さほど勉強せずとも大学へ進学できたのはこのクラシックのおかげだと自負されていますが、それはただひたすらクラシックに熱中していたことで、そこから派生した世界の歴史や文化などが自ずと頭に入り、広い知識が備わったからなのだそうです。あれもこれもと手を出すよりも、何かひとつひたすら打ち込むことができればその結果、大きな利を得ることになると教えてくださいました。
また、このクラシックには知的な話し方のためのヒントがたくさん詰まっているそうです。
樋口さんがとらえるクラシックとは癒しではなく冒険。起承転結が成された大興奮のストーリーで、その旋律には作曲家の性格や感性が盛り込まれています。クラシック音楽を聴くことでモーツァルトやベートーベンなどそれぞれの作曲家が表現した価値観に触れることができる。結果、見解の広がりや論理的な思考力が身に付くといったわけです。音楽に触れる機会が多い本学の学生なら、明日からでも取り組める耳寄りなアドバイスでした。
最後に樋口さんから芸短生へ「これから社会に出る学生さんで、特に芸術系に属する方は話し下手な人が多いのではないでしょうか? そういった方には是非、今回お話した知的な話し方のルールを実行して頂きたいと思います。これらを少しでも身につけていれば、社会でのあり方が良いほうに変わりますから」とご声援いただき、締めくくられました。
以下は受講学生の感想です。
経歴の限りでは少々難しい内容になるだろうと、やや構え気味で聴講する学生の予想に反して「私はしゃべりが下手です」と開口一番。さらに驚かされたのは20数年前までは人前に立つだけで足が震え、人と上手くコミュニケーションを図れなかったということ。そのため、大学を卒業しても就職できず予備校の講師などをして過ごしていた時代があったそうです。そんな過去を持つ樋口さんが、『知的な話し方を身につける。そのためにクラシックを聴こう!』と題してお話くださるのですからなおさら興味深い。
はじめに、「人は話し方で全てを判断されてしまう」と提言。学校では勉強ができれば優秀とされていたが、社会に出ると試験を受けていい成績をとればOKといったルールはない。どんなに勉強ができても外に発信しなければ認めてもらえず仕事も与えられない。つまりは人を納得、理解、感動させられるコミュニケーション力を発揮しなければ社会から相手にされない。だからこそ、今から知的な話し方を身につける必要性があるのだと説明されました。
それから「人間は変われる存在である」、「人の話しをしっかり聞くこと」、「質問をする」、「樋口式四部構成の型」など、知的な話し方に必要なテクニックをご自身の実体験を含めながら伝授していただきました。なかでも印象的だったのは「好きなものを持て」といったお話です。樋口さんは少年時代に聴いた『ウィリアムテル序曲』に感動したことがきっかけでクラシック音楽のマニア道を歩まれます。当時、さほど勉強せずとも大学へ進学できたのはこのクラシックのおかげだと自負されていますが、それはただひたすらクラシックに熱中していたことで、そこから派生した世界の歴史や文化などが自ずと頭に入り、広い知識が備わったからなのだそうです。あれもこれもと手を出すよりも、何かひとつひたすら打ち込むことができればその結果、大きな利を得ることになると教えてくださいました。
また、このクラシックには知的な話し方のためのヒントがたくさん詰まっているそうです。
樋口さんがとらえるクラシックとは癒しではなく冒険。起承転結が成された大興奮のストーリーで、その旋律には作曲家の性格や感性が盛り込まれています。クラシック音楽を聴くことでモーツァルトやベートーベンなどそれぞれの作曲家が表現した価値観に触れることができる。結果、見解の広がりや論理的な思考力が身に付くといったわけです。音楽に触れる機会が多い本学の学生なら、明日からでも取り組める耳寄りなアドバイスでした。
最後に樋口さんから芸短生へ「これから社会に出る学生さんで、特に芸術系に属する方は話し下手な人が多いのではないでしょうか? そういった方には是非、今回お話した知的な話し方のルールを実行して頂きたいと思います。これらを少しでも身につけていれば、社会でのあり方が良いほうに変わりますから」とご声援いただき、締めくくられました。
以下は受講学生の感想です。
樋口さんの書籍は以前に何度か読んだことがありました。イメージとしてはとても真面目な方だと思っていたので、今日お話しいただいた様々なエピソードが面白くて意外でした。コミュニケーションが苦手だった人が大学で講義まで出来るようになったと聞いて、私も希望が持てました。これから社会に出たら必要となるコミュニケーション能力のコツをたくさん聞けたので、どんどん使っていきたいと思います。
情報コミュニケーション学科1年 法輪 季美花
音楽は癒しよりも大きな力があるという言葉にすごく共感できました。音楽によって人との繋がりができたこと、映画やドラマにおいての効果などさまざまな経験が自分自身にもあります。
私は自慢をしてくる人が苦手で、そういった人とはあまり話しをしません。でも、自分にも言いたいことや自慢したいことがあります。そういった場合の相手への伝え方や不快に思われない喋り方などが聞けて、とても参考になりました。今日一日で、人と関わることの楽しさみたいな気持ちも芽生えたような気がします。
私は自慢をしてくる人が苦手で、そういった人とはあまり話しをしません。でも、自分にも言いたいことや自慢したいことがあります。そういった場合の相手への伝え方や不快に思われない喋り方などが聞けて、とても参考になりました。今日一日で、人と関わることの楽しさみたいな気持ちも芽生えたような気がします。
国際文化学科2年 内山 和恵
私はコミュニケーションが苦手でした。「この人は私のことを分かってくれない」、「親しくなれない」と新しい出会いを拒否していました。しかしある時、自分が相手に何も与えていないのに何かを求めるのはおかしいことに気づきました。それからは相手を知ろうとする、自分を伝える、相槌を打つなど意欲的にコミュニケーションをとり、いろんな人とのつながりが出来てきました。特に相槌、時々質問の効果はすごいと感じています。「私はあなたの話しを聞いていますよ」という意思表示をしていたら先生方や年上の方にも目をかけてもらえるようになりました。それを再認識できたことと、今後も使えるお話しが聞けてよかったです。
美術科1年 木野 こころ